「奈良のシカ」過去最多の1687頭に、過剰な餌やりが影響か ――愛護会が「鹿せんべい以外」の給餌禁止を訴え
奈良公園の「奈良のシカ」の頭数が、前年比222頭増の1687頭となり、調査開始以来の過去最多を記録した。愛護会は観光客による過剰な餌やりが頭数増加の一因と指摘し、鹿せんべい以外の餌を与えないよう強く呼びかけている。

AI要約 • 3行でわかるポイント
- 1奈良のシカの頭数は前年比222頭増の1687頭となり、1953年の調査開始以来で過去最多を記録した。
- 2観光客らによる過剰な餌やりや栄養価の高い食品の摂取が、繁殖率向上と頭数増加の一因とみられている。
- 3公園外への出没や交通事故の増加などの課題が浮き彫りになる一方、今後は過密化による自然調整で減少する見込みも示されている。
過去最多を更新した「奈良のシカ」とその背景
一般財団法人「奈良の鹿愛護会」は16日、奈良公園に生息する国の天然記念物「奈良のシカ」の頭数調査結果を発表した。それによると、今年の総数は昨年から222頭増の1687頭となり、統計が残る1953年以降で過去最多を更新した。5年連続の増加傾向となっている。
内訳は雄が411頭、雌が990頭、子鹿が286頭。一方で、昨年7月以降に死亡したシカは198頭に上り、自然死や交通事故が前年よりも増加している。
増加の主因は「過剰な餌やり」と専門家の指摘
頭数急増の背景には、観光客らによる過剰な餌やりがあるとされている。公園内の芝生だけでは十分な栄養が行き届かないところに、観光客から高栄養価のお菓子や人間の食べ物が与えられたことで、繁殖率が向上した可能性が指摘されている。
産婦人科医の丸田佳奈氏は、人間の食べるものは飽和脂肪酸などの脂質が多く、シカにとって肥満や脂肪肝のリスクを高めるおそれがあると警鐘を鳴らしている。愛護会の中西康博副会長は、「鹿せんべい以外の餌を与えると自然の法則が乱れるため、絶対に与えないでほしい」と訴えている。
公園外への出没と今後の課題
シカの増加に伴い、奈良公園の枠を超えた課題も顕在化している。大阪府側へ生駒山を越えて移動する個体や、周辺の住宅街に居着く、いわゆる**“ミニ奈良公園”化**現象が起きている。
地元住民からは、庭の植物が食べられる被害や、昔に比べて交通事故が増加しているとの声も聞かれる。愛護会は、過密化した公園内では雌が出産を控えるなど自然な頭数調整が働き、今後はピークを打って減少に転じる可能性があると分析しているが、公園外に広がったシカの動向や影響については「今後の調査研究課題」としている。
この記事は 読売新聞 に掲載された報道をもとにDEER POSTが独自に要約・整理したものです。詳細な全文や背景は元記事をご覧ください。